About 2024Spring/Summer Collection

「飾らない」シーンにフォーカスし、 服作りの基盤となる素材のあり方から考え、 素材のためのデザインとして構築されたワードローブを展開するUNDECORATED。
春の風に誘われて、2024年Spring/Summerコレクションアイテムがオンラインストアにも次々に入荷しています。

今回はデザイナーの河野が語る、今季の制作背景についてお伝えします。



―2024年Spring/Summerコレクションのテーマを教えてください。
河野:常に心がけている「飾らない」内面にフォーカスしたブランドテーマのもと、 春夏コレクションは「幻想」と「不一致」という2つのキーワードをつかって制作をしました。

インスピレーションの源になったのは、テキスタイルのコラボレーションをしたイラストレーターの津島タカシさんの作品です。
絶妙なカラーパレットで用いて表現された作品はどれもどこか幻想的。
津島さんの作品に登場する動物たちからは感情を読み取ることは難しく、私たちはその作品に使われた色をもって、作品の内面を自由に考案します。
その捉え方は人それぞれで、まさに不一致な局面が多く、その作品の幻想的な見た目と内面的な不一致さか着想を得ました。

―「幻想的」や「アンバランス」というワードが出ましたがアイテムのどの部分に表現されているのでしょうか?
河野:まずは色味です。過去のコレクションルックと見比べていただくと分かりやすいかと思いますが、UNDECORATEDといえば優しさやどこか温かみを感じるニュートラルカラーが特徴でもあります。
しかし今季は、津島さんの作品から抽出した生き生きとしたビビットな色使いにも挑戦しました。

もう一つのキーワードでもある「不一致さ」は素材で表現しています。
化繊だけれど、天然素材の様な優しく安心感のある手触り。逆に天然素材だけれど化繊の様なシャリっとした素材感。
身に纏ったときや触れた時に見た目との微かな違和感を与えられる、そんなサプライズを込めています。



「違和感」という意味では、春夏のアイテムは気候の関係上、どうしても見た目や素材感が薄い洋服が多くなりがちですが、だからこそ、糸や編み方にこだわり「膨らみ」といった少しボリュームを感じるアイテムも用意しました。

今後発売予定のSheer Border T-Shirtは、そんな今期の素材作りを特に体現している私の中でも特に思い入れのあるアイテムです。


↑今後入荷予定のSheer Border T-Shirt

柄部分は天然繊維の綿糸を、色のついているシアー部分はポリエステルを使用し、波打つ様なポコポコした肌触りになっています。番手の違う異素材で編み続ける作業は困難で、納得いくまで何度も試行錯誤を繰り返しました。
ぜひ皆さんにも着用していただきたい一品です。



余談なのですが、コレクションルックをよく見ていただくと、くしゃっとした袖の折り返しやシャツの上にシャツを重ねて片襟だけ出すといった“完璧ではない着こなし”をあえてしています。こういったところでも不一致さを表現できる様にこだわりました。 

素材のためのデザインという根底は守りつつ、津島タカシ氏の作品にインスパイアされた今までとは少し違うUNDECORATEDの春夏コレクション。
これからも新商品が続々入荷しますのでお楽しみに。
入荷情報やPOP-UPイベントの情報は公式Instagramでもお知らせしています。
Follow me →@undecorated_official

次回は春夏コレクションのインスピレーション源になった津島タカシ氏に聞いたコラボ制作に対する想いやご自身の創作活動についてのインタビューをお伝えします。
どうぞお楽しみに。